活 動 報 告
*各イベントについて、開催当時の情報の下に活動報告を掲載いたしました。
令和6年度日本水産学会春季大会 水産学若手の会主催シンポジウム
20代の水産研究者が考える〇〇
~これまでの経験・価値観・研究の観点から~
活動報告
企画趣旨
水産学若手の会では、若手研究者を中心に、大学や教育機関だけでなく、公的機関や企業の施設をまたいだ交流を促進するために、定期的にシンポジウムを開催しています。令和6年度の日本水産学会春季大会内でも、「20代の水産研究者が考える○○ ~これまでの経験・価値観・研究の観点から~」と題した企画を主催しました。
活動報告
大会初日にもかかわらず、61名もの参加者がシンポジウム会場に訪れました。参加者は、研究室配属前の学部学生から、ベテランの研究者まで幅広い年齢層でした。また参加者の7割が学生であったことから、将来の水産業・水産研究を率いる若い世代に水産学のおもしろさやその思いを知ってもらう非常に有意義な機会となりました。シンポジウムでは、魚類の血液凝固システムやウミウシにおける褐虫藻の共生機構、極地におけるバイオロギング、水産資源評価、さらには外食企業における水産研究など、幅広いテーマと現在のポジションを得るまでの経験談について講演者によって分かりやすく紹介されました。
シンポジウム終了後も、学生が講演者に質問をすることや多くの方々が会場内で交流を交わしていたことから、本シンポジウムの企画趣旨である「研究機関をまたいだ交流の促進」が達成されました。今後も、異なる機関に所属するメンバー同士が互いを理解し、議論を交わすことのできる機会を提供するために、委員会一同が努力を重ねてまいります。引き続き、皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。
令和6年度日本水産学会春季大会
発表のない学部学生の大会参加費無料化の試み
活動報告
企画趣旨
令和6年度日本水産学会春季大会が東京海洋大学品川キャンパスにて開催されました。この大会では,進路決定の最中にある学部学生に最新の研究に触れる機会を提供すべく, 発表の無い学部学生(大学1~4年生,高専生5~6年生)100名を大会へ無料招待する企画を行いました。
活動報告
本企画について大会webサイト,ポスター,SNSなどを活用して告知を行ったところ,91名の応募が寄せられました(実参加者数65名)。定員の100名には届きませんでしたが,過去の同企画のなかでも最も多くの方々にご応募いただきました。
学会後に行った事後アンケートでは,「無料だったので手軽に参加できた」「同じ研究分野の話を聞けて刺激になった」といった意見が寄せられる一方,「学部生には学会の情報が回ってきにくいので,情報発信を強化してほしい」などの意見をいただきました。今後はこうした意見を参考に,学部学生がより学会に参加しやすい体制づくりを進めてまいります。 引き続き,ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年度日本水産学会秋季大会
発表のない学部学生の大会参加費無料化の試み
活動報告
企画趣旨
令和5年度日本水産学会秋季大会が東北大学青葉山キャンパスにて対面開催されました。この大会では,進路決定の最中にある学部学生に最新の研究に触れる機会を提供すべく, 発表の無い学部学生(大学1~4年生,高専生5~6年生)50名を大会へ無料招待する企画を行いました。
活動報告
本企画について大会webサイト,ポスター,Twitterなどを活用して告知を行ったところ,4名の応募が寄せられました。ご応募いただいた皆様,周知にご協力いただきました大学関係者の皆様,大会実行委員会の先生方には,この場を借りて御礼申し上げます。
昨年の宮崎大会に引き続き,応募者数は定員の50名を大幅に下回る結果となりました。地方大会では旅費の負担が大きく,このことが学部生が大会に参加しにくい最大の要因であるように考えられます。今後は,旅費の補助も含め,地方開催における学生参加者への支援策を検討し,制度の充実を図りたいと考えています。
これからも,より多くの学生の皆様の参加を促進し学術交流の機会を提供するために,委員会一同,努力を重ねてまいります。引き続き,ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年度日本水産学会秋季大会
水産学若手の会イベント「ナイトポスターセッション」
活動報告
企画趣旨
対面で交流・挨拶することで人脈を広げたり、研究の意見交換を密に行えたりする点は、集会への現地参加の醍醐味ではないでしょうか。ナイトポスターセッションは、当日のすべてのセッションが終了する夕刻以降に開催し、学生や若手研究者などの参加者に研究発表ポスターを自由に持参いただき、飲み物やお菓子など持ち寄りながら交流を深める場を提供するものです。
活動報告
当日の参加者は47名、ポスター発表は18件も集まり、大変盛況でした。参加者の内訳は学生と社会人が半数ずつで、開催地の東北大学だけでなく様々な大学・機関・公設試・民間に所属する方々にお越しいただきました。企画中は、数多くの先端的研究報告を前に立場・分野を越えた議論が活発に行われるだけでなく、若手だからこそ抱える研究の悩み、進路、ライフワークバランスなどの意見交換がなされていました。
大会実行委員・企画担当委員をはじめ、多くの現地スタッフの協力のもと無事開催できました。
現地の委員、スタッフ、および参加者の皆様に、心より御礼申し上げます。
令和5年度日本水産学会春季大会 水産学若手の会主催シンポジウム
次世代へつなぐ水産研究の道程
~企業・公設研究所・大学の研究~
活動報告
企画趣旨
水産学若手の会では、若手研究者を中心に、大学や教育機関だけでなく、公的機関や企業の施設をまたいだ交流を促進するために、定期的にシンポジウムを開催しています。令和5年度の日本水産学会春季大会内でも、「次世代へつなぐ水産研究の道程〜企業・公的研究所・大学の研究〜」と題した企画を主催しました。
活動報告
大会初日にもかかわらず、最大100名もの参加者がシンポジウム会場に訪れました。参加者は、研究室配属前の学部学生から、ベテランの研究者まで幅広い年齢層であり、水産分野の多様性を垣間見ることができました。シンポジウムでは、生理物質の探索や魚病、分子生物学的資源量推定手法、培養肉、公害問題、さらには環境クレジット制度など、幅広いテーマが講演者によって分かりやすく紹介されました。
シンポジウム終了後も、多くの方々が会場内で交流をし、学会の本来の目的を再認識することができました。今後も、異なる機関に所属するメンバー同士が互いを理解し、議論を交わすことのできる機会を提供するために、委員会一同が努力を重ねてまいります。引き続き、皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。
令和4年度日本水産学会秋季大会および令和5年度日本水産学会春季大会
発表のない学部学生の大会参加費無料化の試み
活動報告
企画趣旨
令和4年度日本水産学会秋季大会,令和5年度日本水産学会春季大会が対面にて開催されました。これらの大会では,進路決定の最中にある学部学生に最新の研究に触れる機会を提供すべく, 発表の無い学部学生(大学1~4年生,高専生5~6年生)50名を大会へ無料招待する企画を行いました。
活動報告
本企画について大会webサイト,ポスター,Twitterなどを活用して告知を行ったところ, 令和4年度日本水産学会秋季大会および令和5年度日本水産学会春季大会において,それぞれ22名と69名の応募が寄せられ,その中から14名と48名の学生の皆様を実際にお招きすることができました。特に令和5年度日本水産学会春季大会では,定員50名を超える多くの方々にご応募いただきましたが,大会実行委員会のご厚意により応募いただいた69名全員を選考内とすることができました。ご応募いただいた皆様,周知にご協力いただきました大学関係者の皆様,大会実行委員会の先生方には,この場を借りて御礼申し上げます。
大会後に実施した参加者への事後アンケートでは「楽しかった」「刺激になった」といった前向きな回答が多く寄せられました。その一方で,「学生間での交流の場をもっと多く設定してほしい」「初めて参加したので勝手がわからなかった」といった意見もいただきました。現状,新型コロナウイルスによる影響で懇親会やナイトポスターセッション,ランチョンセミナーなど,参加者が自由に意見交換ができる(しやすい)場が制限されています。特に,学生参加者にとっては自発的な交流の場が作りにくい状況が浮き彫りになっています。今後,若手の会では学生のための交流イベントを企画してまいりますので,学生の皆様におかれましては,ぜひご協力とご参加いただけますよう,お願い申し上げます。
また,令和4年度日本水産学会秋季大会は,本無料招待企画が始まって以来初めてとなる「地方での対面開催」でした。本無料招待企画では,大会参加費が無料になる一方で,開催地への交通費や大会期間中の滞在費は自費で賄っていただくようお願いしております。そのため,金銭的負担の大きい地方開催での学生参加者数の確保は未だ課題となっています。今後は,地方開催における学生参加者への支援策を検討し,制度の充実を図りたいと考えています。
これからも,より多くの学生の皆様の参加を促進し学術交流の機会を提供するために,委員会一同,努力を重ねてまいります。引き続き,ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和4年度日本水産学会春季大会 水産学若手の会主催シンポジウム
「次世代へつなぐ水産研究の道程~企業・公設研究所・大学の最先端研究~」
日時:令和4年(2022年)3月26日 13:00-21:00
オンライン開催、参加費無料
水産学若手の会委員長 古川史也
企業・公設研究所・大学など、異なる機関に所属する若手研究者の交流の場として、この度「所属機関の最先端研究の発表と機関の紹介」で構成されるシンポジウムを以下に開催することとなりました。企業・公設研究所・大学の皆様は、他機関や学生に向けて自らの研究や職場を紹介し、また交流する場として、学生の皆様は、将来の自らのあり方を考える一助として、是非ご参加いただけますよう宜しくお願いいたします。
記
日 時 2022年3月26日13:00から
開催方法 オンライン開催(Zoom)
参加費無料
プログラム
13:00 開会挨拶
13:05 若狭湾における海面養殖ニジマスの感染症対策
大谷 真紀(福井県立大学)
13:30 SDGs と陸上養殖(アクアポニックスとチョウザメ)
平岡 潔 (株式会社 フジキン)
13:55 デジタル操業日誌システムを活用したズワイガニの資源保護
前川 龍之介(福井県水産試験場)・元林裕仁(福井県農林水産部水産課)
14:20 休憩
14:30 長崎水試が取り組むトラフグのゲノム選抜育種について
吉川 壮太(長崎県総合水産試験場)
14:55 ゲノム編集技術を活用した養殖ビジネスの可能性
岸本 謙太(リージョナルフィッシュ株式会社)
15:20 シングルセル解析で挑む非モデル生物の細胞分類
小祝 敬一郎(東京海洋大学)
15:45 休憩
15:55 国内における脂溶性貝毒アザスピロ酸の研究
小澤 眞由( 水産研究・教育機構水産技術研究所)
16:20 バイオミネラリゼーションを利用した新たな CO2 固定化法の開発
安元 剛(北里大学)
16:45 休憩
16:55 パネルディスカッション
17:25 閉会挨拶
【事前登録制・抽選で50名まで】
令和4年度日本水産学会春季大会
発表のない学部学生の大会参加費無料化の試み
募集終了・抽選結果はメールにてお知らせいたしました
企画趣旨
令和4年3月26日より日本水産学会春季大会がオンラインで開催されます。本大会では,学部学生(大学1~4年生)が研究発表を聴講し,最新の研究に触れることで研究意欲を高め,水産系企業・機関や大学院への進路決定,さらには学会参加を目指すきっかけになる取り組みとして,発表のない学部学生が無料で学会に参加できる仕組みを行う運びとなりました。つきましては,学部生に周知いただき,事前登録の上,ふるってご参加いただけるよう,何卒よろしくお願い申し上げます。
1. 対象:
大学学部または高等専門学校に所属する学生(水産学会の学会員・非学会員を問わない)
*大学院生,および研究発表を行う方(発表者リストに名前が載っている方)は対象外とさせていただきます。
2. 参加登録方法:
*募集は終了いたしました。
3. 連絡事項:
大会日程などの詳細は令和4年度春季大会のHPをご覧ください。
(令和4年度春期大会HP)https://www.gakkai-web.net/jsfs/kaikoku/
本企画への参加者は,水産学会若手の会主催シンポジウム「次世代へつなぐ水産研究の道程〜企業・公設研究所・大学の最先端研究〜」へもご出席されることをお勧めいたします。こちらは学部生や若手研究者向けのシンポジウムとなっており,「無料化の試み」の抽選に漏れた方を含め,どなたでも参加可能です。
4. お問い合わせ先:
水産学会若手の会委員 藤田雅紀
メールアドレス:masakifujita#fish.hokudai.ac.jp(#を@に変えてください)
令和4年度日本水産学会春季大会 水産学若手の会イベント
「オンライン」ナイトポスターセッション
日時:令和4年(2022年)3月26日 18:00-21:00
Gather.townによるオンライン開催、非学会員参加可、参加費無料
プログラム
18:00–18:05 開会の挨拶(水産学若手の会委員 鈴木孝太)
18:05–19:55 ポスター発表・意見交換
20:55–21:00 閉会の挨拶(水産学若手の会委員 古川史也)
*いつでも好きな時に入退室していただいて構いません。
企画趣旨
令和4年度春季大会については,残念ながらオンライン開催となりました。ここ2年はコロナ禍のため,対面での意見交換の機会が減っていると思います。水産学若手の会では,少しでも貴重な意見交換の機会を補うべく,令和3年度秋季大会に引き続き,オンラインでのナイトポスターセッションを開催したいと思います。懇親会の雰囲気で,学生・若手・ベテラン・企業・公設研究所・アカデミアを問わず,水産学に関するポスターを囲みながら,交流しませんか?お気軽に御参加いただけましたら幸いです。
活動報告
春季大会がオンライン開催となったため,昨年度の秋季大会(みなし開催)に引き続き,同じ会場で複数の同時双方向の交流が行い易いオンラインの交流ツール「Gather. town」を用いた開催となりました。飛び入りも含め,ポスター13演題が掲示され,参加された全国各地の学生・研究者の皆様で活発な議論が行われました。また,会場内で最近の海洋環境の変化等,水産に関する情報を交換する参加者も多く見受けられました。新型コロナウイルス感染症の影響により,対面で会う機会が減少している中,オンラインを用いた交流の場がより重要になってくると感じています。(鈴木孝太)
ポスター会場の様子
イベントポスター
令和3年度日本水産学会秋季大会
水産学若手の会主催ミニシンポジウム
【オンライン開催】
公設試験場若手研究員による北海道・北東北の水産研究
~海から食卓まで~
日時・場所:令和3年9月13日(月)13:00-17:20
開 催 方 式:オンライン(Zoomウェビナー)
企画の趣旨
北海道・北東北と聞いて海の幸を思い浮かべる人は多い。今年、ユネスコ世界遺産に登録された『北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群』においても農耕によらない採集・漁労・狩猟を基盤とした定住生活が評価されており、古くから豊かな水産資源に恵まれていたことがわかる。現在も多種多様な水産資源を対象に活発な研究が行われている北日本であるが、地域は広大でありまた津軽海峡に隔てられるなど、各地域の状況や課題は異なる。
水産学若手の会主催シンポジウムでは北海道・北東北の若手研究者が各地域における現状や課題及び研究活動を紹介する事で情報を共有し、地域の水産業発展のために若手研究者に何が求められているのか何が必要であるかを討論する。
また、水産学若手の会は全国の水産学に携わる若手研究者の交流を促進し、水産学の活性化に貢献するとともに、地域に根付いた若手の学術活動の活性化を目的としている。そこで本シンポジウムではオンラインも活用し、資源から増養殖および利用加工に至る様々な分野を横の糸、学生を含む産官学の多様な所属を縦の糸として、地域および全国における水産研究ネットワーク形成に資する事を目的とする。
シンポジウム内容(タイムスケジュールは上記ポスターをご参照ください)
3つのセッション(①資源・海洋環境、②増養殖、③利用・加工)各3演題の計9演題と、総合討論
"未詳資源"かすべの研究
堀本高矩(北海道立総合研究機構 稚内水産試験場)
道総研における海洋環境調査
有馬大地(北海道立総合研究機構 中央水産試験場)
道東のコンブ資源の省力的な調査手法の開発
園木詩織(北海道立総合研究機構 釧路水産試験場)
漁港施設を写すライブカメラ映像の使い道
甲本亮太(秋田県水産振興センター)
放流ホタテガイの資源管理技術の発展
三好晃治(北海道立総合研究機構 中央水産試験場)
道南海域における近年のコンブ養殖について
前田高志(北海道立総合研究機構 稚内水産試験場)
道産サーモン養殖推進のための道総研の新たな取り組み
山﨑哲也(北海道立総合研究機構 さけます・内水面水産試験場)
青森県産業技術センター食品総合研究所の取組
宮部好克(青森県産業技術センター 食品総合研究所)
羅臼コンブの品質に関する最新の研究成果
加藤慎二(北海道立総合研究機構 釧路水産試験場)
活動報告
水産学若手の会では大会ごとにミニシンポジウムを主催しており、秋季大会では開催地域の公設試験場から若手研究員を招いて地域の水産研究を紹介していただいております。今回は学会初日の9月13日13時から『公設試験場若手研究員による北海道・北東北の水産研究~海から食卓まで~』と題して、北海道・青森・秋田から9名の若手研究者にご講演いただきました。当初は函館にて対面で実施し、遠隔地学生のためにZoomでの配信を予定していましたが、対面中止に伴い完全オンラインのウェビナーとして実施いたしました。シンポジウムには同時ログイン数で最大80名近い参加者がおり、延べ人数としては100名近いものと考えられました。非常にタイトなスケジュールでしたが、資源から養殖そして利用加工の広範囲にわたる分野で興味深い講演があり、また活発な議論ができたと思います。今回も水産に関わる多様な領域、そして様々な立場からの参加者があり将来の水産学の発展に向けた交流ができ、有意義なものとなりました。
お問合せ先:藤田雅紀(北大院水)
e-mail: [email protected]
令和3年度日本水産学会 水産学若手の会イベント
「オンライン」ナイトポスターセッション
日時:令和3年 9月13日(月)
10:00-12:00(午前の部)
18:00-20:00(夜の部)
Gather.townによるオンライン開催、非学会員参加可、参加費無料
企画責任者:藤田雅紀(北大院水)・佐藤正人(秋田水振セ)・富安信(北大院水)・古川史也(北里大海洋)
プログラム
10:00-10:05 午前の部 開会の挨拶 (水産学若手の会委員 藤田雅紀)
10:05-12:00 午前の部 ポスター発表・意見交換
18:00-20:00 夜の部 ポスター発表・意見交換
20:00 夜の部 閉会の挨拶 (水産学若手の会委員長 古川史也)
企画趣旨
令和3年度秋季大会については残念ながら中止(みなし開催)となりました。そこで、水産学若手の会では、失われた発表や意見交換の貴重な機会を補いたいと考え、例年のナイトポスターセッションを拡充し、オンラインで、かつ午前の部・夜の部と2回に分けて開催し、活発な議論や交流の場としたいと思います。午前の部はまじめにポスター前でディスカッション、夜の部は懇親会の雰囲気で、学生・若手・ベテラン・企業・公設研究所・アカデミアを問わず、水産学にまつわるポスターを囲みながら、ざっくばらんに交流しませんか?お気軽にご参加いただけましたら幸いです。
活動報告
水産学若手の会では、以前より「ナイトポスターセッション」として、有志のポスターを持ち寄り、研究内容の紹介や意見交換などをふくめた交流会を行ってまいりました。イメージとしては、国際学会などでよくある「アルコールが振舞われるポスターセッション」に近いものです。今回は、北海道での秋季大会が中止(みなし開催)となったことを受け、初の試みとしてオンラインの交流ツール「Gather.town」を用いた開催となりました。また、発表の場を失ってしまった方を広く受け入れるため、午前の部を設けました。このような経緯もあり、開催の決定と周知活動の開始から本番までが2週間程度と非常にタイトな準備期間となりましたが、飛び入り6演題を含め、ポスターが27演題集結し、活発な議論が展開されました。午前の部・夜の部のどちらも、全国各地の学生・研究者の皆様が参加され、オンライン開催の良さが発揮された会となりました。新型コロナウイルスの脅威の収束もなかなか見えてこない状況で、今後もオンラインでのイベント開催が重要になってくると思われますが、そのような中での一つの可能性が見えてきたと感じています。(古川史也)
広場の様子
ポスター会場の様子
イベントポスター
【事前登録制・抽選で50名まで】
令和3年度日本水産学会春季大会
発表のない学部学生の大会参加費無料化の試み
募集終了・抽選結果はメールにてお知らせいたしました(3月15日 20時頃)
*シンポジウム「イメージの向こうへ:水産研究をめぐる企業・公設研究所・大学のまなざし」の情報はこの下に移動しました。
企画趣旨
令和3年3月26日より日本水産学会春季大会がオンラインで開催されます。本大会では、学部学生(大学1~4年生)が研究発表を聴講し、最新の研究に触れることで研究意欲を高め、水産系企業・機関や大学院への進路決定、さらには学会参加を目指すきっかけとなる取り組みとして、発表のない学部学生が無料で学会に参加できる仕組みを試験的に行う運びとなりました。つきましては、学部生に周知いいただき、事前登録のうえ、ふるってご参加いただけるよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
1. 対象
大学に所属する学部生 (水産学会の学会員・非学会員を問わない)
*大学院生、および研究発表を行う方は対象外とさせていただきます。
2. 参加登録方法
*募集は終了いたしました。
抽選結果は応募者宛てにメールにてお知らせいたしました。(2021年3月15日 20時頃)
連絡を受けていない方がいらっしゃいましたら、個別にご連絡ください。*アドレス不明の方が1名いらっしゃいました。
3. 連絡事項
大会日程等の詳細は令和3年度春季大会のHPをご覧ください。
(令和3年度春季大会HP)https://www.gakkai-web.net/jsfs/kaikoku/index.php
また、本企画への参加者は、水産学若手の会主催シンポジウム「イメージの向こうへ:水産研究をめぐる企業・公設研究所・大学のまなざし」(下記、3月26日 13時~)へもご出席されることをお勧めいたします。こちらは学部生や若手研究者向けのシンポジウムとなっており、「無料化の試み」の抽選に漏れた方でも参加可能です。
4. お問い合わせ先
水産学若手の会委員長 古川史也
メールアドレス:fumiya#kitasato-u.ac.jp (#を@に変えてください)
活動報告
本企画の実施は,令和2年度日本水産学会春季大会に引き続き2度目の試みとなります。前回大会ではコロナウイルス感染症の蔓延により,春季大会自体が開催中止となってしまったため,実際に本企画によって学生の皆様を御招待したのは本大会が初めてとなりました。
上記「企画趣旨」にあるように,本企画は最新研究に触れる機会の少ない学部生(1〜4年生)に早い段階で学会に参加してもらい,水産研究の面白さ,あるいはその深淵を知ってもらうことを目的としています。今年は昨年の反省を活かし,企画の周知方法,募集人数,選考方法などについて協議を重ねて参りました。その結果,募集人員50名に対して約140名もの学部生にご応募いただきました。ご応募いただいた皆様,周知にご協力いただきました大学関係者の皆様には,この場を借りて御礼申し上げます。また,残念ながら選考外となりました学生の皆様,ご期待に添えず申し訳ありませんでした。次回のご応募を是非お待ちしております。
協議段階で一部の学部生へ行ったヒアリング調査では,非常に多くの学生が学会参加に興味を持っていることがわかりました。一方で,初めての学会参加に対し,心理的・金銭的な障壁を感じている学生も少なくありません。ZOOMでの学会発表は,こうした障壁を感じている学生,特に遠方に住んでいる学生にとって,非常に魅力的なツールになり得ると思います。コロナウイルスによって急激な変化を強いられている学会運営ですが,今回得られたノウハウをAfterコロナの時代でも活かしていけるよう,当委員会も一層努めて参ります。(山本)
下図. 本企画周知に使用したポスター。
令和3年度水産学若手の会主催シンポジウム
イメージの向こうへ:水産研究をめぐる企業・公設研究所・大学のまなざし
日時・開催方法:令和3年3月26日(金)13:00-16:40 Zoomウェビナー*によるオンライン開催
参加費:無料
企画責任者: 古川史也(北里大海洋)、杉浦大介(青森水総研)、馬久地みゆき(水産機構中央水研)
企画趣旨
水産学会が企業や公設研究所、大学を繋げ、産学官連携の芽をはぐくむ場として期待されて久しい。しかし今なお、それぞれに属する研究者同士がお互いを理解し、議論を交わす機会は限定的である。また、大学の水産系教育課程に在籍する学生は、水産学の知識や研究ノウハウを深められる一方、将来の進路や研究者としての働き方をイメージする機会が乏しい。このような問題意識に基づき、本シンポジウムでは水産系企業・公設研究所・大学の各機関から演者を募り、様々なモチベーションに基づく研究事例や機関の紹介を通して、各機関に所属する研究者や学生がお互いを理解し、議論を交わす場を提供する。また、各機関の職場などを疑似体験できる企画として、オンライン開催を活用したwebツアーを検討している。本シンポジウムを通して、社会人研究者が各々の組織の特徴を再認識し、今後の課題や共同研究の可能性を見出す端緒としたい。また学生にとっては、多様な研究者像の醸成、将来のキャリアパスのイメージ作りに資することを目的とする。個々人の所属機関外における研究者像や研究のあり方をイメージするには限界があるかもしれないが、このようなイメージの壁を取り払うことによって、自身にとって望ましい進路選択や共同研究のきっかけを掴む機会は増えるものと期待される。
タイムスケジュール
13:00-13:10 開会
13:10-13:35 マルハニチロにおける養殖スマート化の取り組み
中野 達也・纐纈 智也(マルハニチロ株式会社)
13:35-14:00 香川県水産試験場の紹介 - サーモン養殖の現状と研究 -
林 和希(香川県水産試験場)
14:00-14:25 大学発ベンチャーが取り組むサクラマス養殖
上野 賢(株式会社Smolt/宮崎大学農学部)
休憩
14:35-15:00 道総研釧路水産試験場の利用加工分野における試験研究の紹介 -主に道東産マイワシに関する試験研究について-
守谷 圭介(北海道立総合研究機構 釧路水産試験場)
15:00-15:25 ニッスイにおけるバナメイエビの陸上養殖(フィージビリティスタディ)
渡邊 正弥(日本水産株式会社 中央研究所 大分海洋研究センター)
15:25-15:50 完全養殖クロマグロの安定採卵技術の開発 ~研究開発成果の最大化に向けた取り組み~
林田 貴雄(水産研究・教育機構 水産技術研究所)
休憩
16:00-16:30 パネルディスカッション
16:30-16:40 閉会
活動報告
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い人の往来が制限される中、水産学若手の会委員会ではzoomによるオンライン委員会を開催する他、ワーキンググループ制の導入によりメール等を用いて活動の方向性を探って参りました。 春季大会に続き秋季大会の中止を受けて、委員会内部で「春季大会ではシンポジウムを開催したい」という声が上がっていました。
シンポジウムのテーマについて、 オンラインでの大会開催を念頭に協議した結果、「学生の進路選択に役立つ情報の提供」、「社会人の所属機関のカテゴリーを超えた交流」というキーワードが浮かび上がってきました。演者は公募の結果、水産系企業と公設研究所、大学発ベンチャー経営/大学院生にわたる特色豊かな6つの機関を迎えることができました。通常のリクルーティングや異業種交流会とは異なった、学会のシンポジウムとしての特色を打ち出すべく、異なる立場の演者がフェアな条件で研究事例や職場環境を紹介できること、また一方通行ではなく、学生が主体的に参加できることを目指しました。「所属機関の代表としてではなく、一個人として思うことをお話しください」という理念を演者の皆様にお伝えしたこと、シンポジウムの参加申込みフォームに演者への質問事項を記入できるようにして、寄せられた質問を事前に演者と共有したことはその一環です。
各セッションは異なるカテゴリーの機関の演者・司会者で構成され、お互いに新鮮な感覚を胸に質疑を進行することができました。たとえ近縁の生物の養殖に関する講演であっても、所属機関の事業目的や演者が所属機関で担う役割によって、異なる色彩を放つものなのだと強く印象付けられるものでした。
パネルディスカッションで語られた内容は、個人と組織の関係にとどまらず、人の生き方そのものについて実感を持った示唆を与え、また個人の立場を超えて、相互の機関の理解にもつながるものだったと言えます。たとえ機関ごとの理念や事業目的は異なったとしても、根底を流れるサイエンスの部分は互いに共通であり、それぞれの日々の営み自体が、またそれをお互いに共有することが、水産学を力強く駆動していくだろうという希望を抱かせてくれるものでした。
通常では顔を合わせることが稀な機関の紹介が一連のシンポジウムの中で行われたことは、各機関の理念や事業目的について、言語・非言語の両面から、参加者に今までにない印象を与えたのではないでしょうか。zoomウェビナーの使用によるパネリストと視聴者の距離感、視聴者同士でお互いの存在を実感するのが困難であること等、開催してみて初めて見えてきた課題については、視聴者の参加しやすさの改善を目指して、今後検討して参ります。演者の研究分野の偏在については委員会内部でも賛否両論があり、演者の講演しやすさも含めて今後の企画に反映させていく所存です。研究機関ごとの特色について、それぞれの現場の生の声から感じ取れるイメージが、視聴者の皆様の中で昇華され、今後の進路選択や産学官連携に活かされることを願ってやみません。(杉浦)
下図.本シンポジウムの周知に使用したポスター。
令和元年度第2回水産増殖懇話会講演会・水産学若手の会共催シンポジウム
北陸の増養殖研究:地域を支える公設試験場の若手研究者
日時: 令和元年9月8日 (日) 13:15~17:00
場所: 福井県立大学 永平寺キャンパス 113教室 (第5会場)
企画責任者: 竹内 裕・松原 創(金沢大能登水セ)、馬久地 みゆき(水産機構中央水研)、仲野 大地(福井水試)
企画趣旨
北陸地方は豊かな水産資源に恵まれ、古くから漁業・養殖ともに盛んな地域であることから、水産業は地域の重要な産業として発展してきた。本シンポジウムでは秋季大会開催地の福井県をはじめ周辺の北陸地方の若手研究者が対象地域の水産増養殖研究について紹介する。これにより、隣接した地域の状況についての情報を共有するとともに、北陸地方の水産業発展のために若手研究者に何が求められているのか、5~10年後を見据えて何が必要であるかを討論する。
本講演会を水産学若手の会と共催することで、若手とベテランの融合を図り、北陸地方における増養殖業の更なる発展に資する。水産学若手の会委員会は、全国の水産学に係わる若手研究者と学生の交流を促進し、水産学の活性化に貢献するとともに、地域に根付いた形で若手の学術活動を活性化させることを目的としている。そこで、聴衆参加型討論会の一手法であるオープンスペーステクノロジー(OST)を用いて、課題発見、および、その解決に向けた議論を通して研究者同士のネットワークを繋げていきたい。また、多くの学生にも参加していただき、県公設水産試験場・センターの研究者から直接話を聞ける機会としても活用して欲しい。さらに、水産学若手の会委員会が独自に作成したアンケートを用いて、県公設水産試験場・センターの若手水産学会員が減少している現状と背景を分析し、若手会員を増やすためのアイデアについて検討したい。
活動報告
令和元年度秋季大会の若手の会シンポジウムは水産増殖懇話会との共催で行われました。増養殖をテーマとしたこと,また若手の学会活動への参加を促すうえでも世代間交流は重要な要素であると考えられます。会場の福井県立大学永平寺キャンパスは建物間が広々とした開放的な雰囲気で,旧知の顔を見つけて挨拶もそこそこにシンポ会場設営に取りかかります。 本大会はシンポ件数が多く,各会場とも周知に熱心に取り組んでいらっしゃる様子。若手の会シンポジウムは受付から離れた教室で,当日朝に案内表示の作成に四苦八苦しました。
始まってみると今回は例年と比べて参加者の年齢層も幅広く,共催の効果も見て取れます。海底湧水の生物生産への寄与,イワガキの被食実験,バフンウニの放流など,研究手法も演者の立場も様々でしたが,異なる立場からのアプローチが水産業という自然と関わる産業における課題発見と研究の進展のために必要なのだと改めて感じさせられる内容でした。いずれの発表も熱が込められており,質疑のマイクを運ぶ若手の会委員自らも質問の手を挙げる場面も度々見られました。
発表後にオープンスペーステクノロジーと称して参加者を少人数のグループに分けてのディスカッションタイムを設けました。これは発表者の席を固定して聴講者が興味のある演者の席に行き,発表課題をさらに深めるために必要と思われることを模造紙に書き出していく中で議論を深めるという内容。各自,好きなタイミングで席を移動してよいこととしました。発表ごとに個性があり,席ごとに全く違った議論が繰り広げられる中,参加された方は通常のシンポジウムと違った演題との関わり方を見つけることができたでしょうか。終了後には,「自分自身とは違った見方をする人の意見が得られ,自分の研究についての考えが深まった」という演者の方からの声も聞かれました。
お忙しい中,話題提供してくださいました演者の皆様,会場設営や運営にご協力頂きました福井県立大学と金沢大学の皆様,そしてまだ暑さの残る中会場に足をお運びくださいました参加者の皆様方に,この場をお借りして厚く御礼申し上げます。反省点を次回に活かし,今後も参加される方に水産研究への違った見方を得る機会を提供できるような企画を立案できるよう努めて参ります。
平成30年度日本水産学会秋季大会シンポジウム
ー 若手研究者による中国・四国地方の水産研究とこれから -
日時: 平成30年9月15日(土)13:00~17:00
場所:広島大学 東広島キャンパス内生物生産学部 C316教室(第5会場)
企画責任者: 竹内 裕(鹿大水)、南 憲吏(島根大)、馬久地みゆき(水産機構中央水研)
企画趣旨
中国・四国地方は豊かな水産資源に恵まれており、古くから漁業・養殖ともに盛んな地域であることから、水産業は地域の重要な産業として発展してきた。水産学若手の会主催シンポジウムでは秋季大会開催地の広島をはじめ周辺の中国・四国地方の若手研究者が対象地域の水産研究について紹介し、隣接した地域の状況についての情報を共有するとともに、中国・四国地方の水産業発展のために若手研究者に何が求められているのか、5-10年後を見据えて何が必要であるかを討論する。 本シンポジウムでは各県公設水産試験場・センターから各県における水産の現状と課題について紹介した後に、講演課題について詳細に発表する。
水産学若手の会は全国の水産学に係わる若手研究者と学生の交流を促進し、水産学の活性化に貢献するとともに、地域に根付いた形で若手の学術活動を活性化させることを目的としている。そのため本シンポジウムをきっかけに研究者同士のネットワークを繋げていきたい。また、多くの学生にも参加していただき、就職先候補となる県公設水産試験場・センターの研究者から直接話を聞ける機会としても活用して欲しい。さらに、若手研究者には「現場を知る」ことが求められているが、現場に近い県公設水産試験場・センターの若手研究者の水産学会員が減少している。現場を知る若手会員を増やすためのアイデアについても検討したい。